トップランナー・大迫傑選手の食事情 Vol.2

マラソンと3,000m、5,000m(トラック競技)の日本記録保持者のプロランナーの大迫傑選手の奥様大迫あゆみさんのコラムの第2回目をお届けします。

大迫選手は日頃どのような「食事」をとっているのでしょうか?

※2018年2月掲載 アスリートフードマイスター公式ブログ「バナナが大事」を転載の内容です

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皆さまこんにちは。

陸上長距離・マラソン種目をしている大迫傑の妻、大迫あゆみです。
第2回目の今回は、夫がマラソンに移行する準備期間の食事情、
レース当日の食事情についてご紹介したいと思います。

夫は中学で陸上を始めてから約10年余り、とにかくスピードが求められるトラック競技を主戦場としてきました。
しかしいよいよマラソンに挑戦するにあたり、これまでのスピード仕様とは違う、相当な持久力も求められる新しい身体作りをしていかなければなりませんでした。

【新しい身体作りのための食事】
トラック競技をメインに戦っていた頃の夫は、体重が増えてスピードが落ちるのを嫌い、炭水化物の摂取を極力控えてしまう傾向にありました。
しかしマラソンはトラックの何倍も多くのエネルギーを必要とする競技です。
そのエネルギー源となる炭水化物の絶対量も、当然増やしていく必要があることは本人も十分承知でした。

ところがそれまでの習慣もあり「急に白米を何杯もおかわりして食べる」ということに対して、本人の中でまだまだ葛藤や抵抗があるように見受けられました。
そこで私も献立を見直し、長い距離を走る前日は1回の食事で白米を多く摂取しやすい「丼メニュー」へと変更し、本人に気付かれない程度に徐々に白米の量を増やしていきました。

また、肉を焼く際はこっそり表面に小麦粉をまぶしたり、汁物には片栗粉を入れてとろみをつけたり…。
夫の母にも相談し、中高時代によく作ってあげていたというメニューを教えて貰ったりもしました。
その中でも、母から教わった秘伝レシピの小麦粉料理「もんじゃ焼き」は、東京育ちの夫も好んで良く食べてくれました。

プレッシャーを感じさせずに、食べ慣れたもので無理なく自然に摂取量を増やすためにはどうしたらいいのか?
いろいろと試行錯誤しながらキッチンに立つ日々は苦労もありましたが、日に日に食べる量が増え、コーチからも「調子が上がってきているぞ!」と声を掛けられる夫の姿を目にすると、私自身もとても嬉しく毎日の食事作りにもやりがいを感じました。

↑ある日の丼メニュー、ビビンバ丼

【試合前のゲン担ぎは鰻!】
試合の2ー3日前になると、夫は必ずを食べます。
なんとこれは中学生の頃から長く続くゲン担ぎなのだそうです!

アメリカにも冷凍の蒲焼が売られているので、安売りの日にまとめ買いして
ストックしておき、自宅でも焼いて食べられるようにしています。
日本にいる時は、とにかくどこに行っても鰻重を探しては食べ歩いています。
おいしい鰻屋さんをご存知でしたら、ぜひ皆さまからも教えていただきたいくらいです(^^)

【試合当日の必需品 カステラ!】

そしていよいよ試合当日。大きなバッグにユニフォームやシューズなど、たくさんの荷物を詰めて会場入りしますが、ここで絶対に忘れてはならない勝負道具の1つが、レース前に食べる「カステラ」です。

カステラはバナナ同様、すぐにエネルギーに変換しやすい上に消化も良く、スタート前でも手軽に食べることができるため夫のマストアイテムとなっています。
本場長崎の知人から大量に送って貰ったり、先の福岡マラソン(2017年)では地元の老舗和菓子店のカステラをおいしくいただいたようです。
レース毎に各地のカステラを食べるのも、今後の楽しみになりそうですね(^^)

【試合後の祝杯はとにかく楽しく!】
試合後はその土地の郷土料理や、しばらく我慢していた大好きな生もの、甘いもの、お酒で勝利を祝います。
福岡では〆に博多ラーメンまでバッチリ食べて来た!と嬉しそうにしていました。この日ばかりは練習や栄養云々のことは考えずに、とにかく食べたいもの・飲みたいものを好きなだけ摂り、リラックスして過ごす最高の1日です。
共に戦ったライバルや友人達とさぞ楽しく充実した時間を過ごしているのでしょうね?

↑福岡名物・水炊き鍋で乾杯!

次回のコラムでは、

アメリカならではの食材や食生活についてご紹介したいと思います!

大迫 あゆみさん (アスリートフードマイスター3級)

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